薬膳漢方茶の活用法その2は、カスタマイズ薬膳漢方茶を使用した薬酒作りです。西洋ハーブではチンキ・ティンクチャーTinktur/Tinctureと呼ばれているものです。写真は自分用のカスタマイズ薬膳漢方茶1ティーバッグを100mlのウォッカに1週間ほど漬けた物です。
薬酒の利用方法の前に薬膳の考え方につて少し書きたいと思います。
大昔の中国の著書『黄帝内経太素』調食篇には「空腹の時に食べると食材といい、病気を治療するために使うと薬となる」と記されています。薬食同源として、健康な身体を作る根本は同じ食なのだという考えです。身体に有効な食事を全て薬膳と称する場合も多いですが、厳密には下記の4つに分かれます。
*食用:季節や環境に合わせて栄養バランスの良い食事を取る事。
*食養:美肌・老化防止などの目的を持った食事を取る事。病気を持っていない人が対象。
*食療:不調の改善を目的に弁証論治(ざっくり言うと診療とその治療方法を決める事)に基づいて食材を用いて作られた食事。対象は病気を持っている人または不調の人で、風邪を引いた時や病気の回復食、便秘気味の人、食べすぎた時の食事など。
*薬膳:食療+生薬を使用した病気治療食。病気をこれ以上悪化させない為、治療の為の食事。生薬が効果を発揮し、気血の調和・陰陽のバランスを整える・病気の予防・健康増進を目指した物です。
普段の生活では食用が大切です。
Kittchaco.の薬膳漢方茶に使用している生薬・薬草は全て「食材」扱いのものになりますので作用が優しく、特にカスタマイズ薬膳漢方茶は緩やかな体質改善を期待したブレンドを作っています。上記の食養・食療・薬膳の部分を考慮し、それぞれの体調・体質・希望に合わせて生薬・薬草を選びます。今回の自分用のブレンドは、手足の冷え改善と不眠解消を目的としたほうじ茶ベースの物です。血虚で陽虚・気滞気味なので、いつものスタメンくこの実・夜交藤・合歓皮に血行をよくし関節痛にも良い続断(←よもぎと迷ったけどこちらをチョイス)と最近軽い蓄膿症気味なので桑葉も入れました。
さて薬酒の話に戻ります。
まずは材料と作り方。
約100ml分
ホワイトリカーor40度以上のウォッカ:100ml
カスタマイズ薬膳漢方茶1ティーバッグ:7g or 生薬・薬草7~10gくらい
①綺麗に消毒した密封できる瓶にホワイトリカーor40度以上のウォッカとカスタマイズ薬膳漢方茶1ティーバッグを入れます。
②蓋をして冷暗所へ3−4週間置く。(10℃以下ならば室内でもOK)毎日容器をよく振る。
③ティーバッグを取り除いて完成!薬酒を飲む目安は一日大さじ1杯程度です。
生薬・薬草をお酒に漬けるメリットは、加熱をしないので成分を壊さず、そして湯気と一緒に成分を蒸発させない事です。1ヶ月ほど熟成させると口当たりも良くなり、血中に入りやすく効果が現れるのも早いと言われます。成分が濃縮されるので少量でも十分な効果が期待でき、保存もできます。デメリットとしてはお酒が弱い人や、生薬・薬草によっては苦味や辛味が強く出て飲みづらいものもあります。そんなときは料理に使用したり、飲むときに糖分を加えたり、温かいスープや飲み物へ入れるのも良いと思います。私は夜寝る前に白湯へ薬酒を数的垂らして飲むと手足がポカポカしてきてよく眠れます。今まではお茶として飲む事しか考えていませんでしたが、今後は色々な活用法を紹介していきたいと思います。次回は薬膳漢方茶で作る薬膳粥です!お楽しみに。
Comments